利用者の"生の声" 〜Y.S.C.C.横浜フットサル〜

このたびスポチュニティでは、Y.S.C.C.横浜フットサル(以下、YS)の寺師様にお話を伺いました。
YSは2022年にFリーグ制覇を実現するためにチーム力強化を進めています。サッカー元日本代表の松井大輔選手を皮切りに、南米の有力選手の獲得、加えて選手個人のレベルアップのためのトレーニングジム開設など、様々な施策を実施しています。

今回はその強化施策充実のためにスポチュニティをご利用いただきました。クラウドファンディング実施に至った経緯、思ったことなど、YSの生の声を配信します。

©︎ Y.S.C.C.横浜フットサル

《クラウドファンディングの利用の背景》

スポチュニティ:今回なぜクラウドファンディングに取り組もうと思われたのか、クラウドファンディングに期待していたことをお聞かせください

寺師様(以下、敬称略):フットサルというマイナースポーツにおいて、ニュースバリューを高めることや資金集めはクラブとして取り組まなくてはいけない重要ミッションでした。そうした背景のもと、Fリーグ参入当初より、5シーズンかけて日本一を目指すと掲げて活動しながら、その過程の起爆剤として今回のクラウドファンディングの企画実施に至りました。実施にあたり盛り上げる要素が必要だと考え、サッカー元日本代表の松井大輔選手(以下、松井)・ミャンマー代表のピエリアン・アウン選手(以下、ピエリアン)の加入に開始タイミングを合わせました。
フットサルは、競技一本で十分に稼ぎを得ることは難しく、仕事とトレーニング(チームトレーニング+フィジカル)を両立さなくてはいけない厳しい環境です。その一助となるようパーソナルジムの設立を進めているのですが、そのための資金として活用したいと考えています。
また当然戦力の拡大に向けても費用はかかるため、支援の一部はそこでも活用したいと考えておりました。

スポチュニティ:金銭的な支援以外にクラウドファンディングに期待していたことはありますか

寺師:私達のクラブでは、ファン獲得+クラブ運営資金獲得の目的で、 “選手個人スポンサー”という個々人の繋がりから募るスポンサーの形をFリーグ参入当初から取り組んでいました。そういった地道な草の根活動に加えて、今回のクラウドファンディングを実施することで今までに接点がなかった層にリーチし、支援の裾野を広げることを期待していました。実施前には、マイナースポーツで頑張っている人を応援したいという層にもリーチできるのではないかというスポチュニティからの提案もありました。加えて、Jリーグ時代に横浜FCに所属していた松井の加入をきっかけに、これまでファンではなかった横浜在住の方にもニュースを届けられるのではないかと考えていました。

スポチュニティ:期待通りの成果を上げられたという感触はありますか

寺師:そうですね!これまではイベント・試合会場にいらっしゃる方、個人スポンサーの方は大体名前や顔が分かるのですが、今回支援していただいた81件の中にはこれまでお見かけしたことがない方も含まれていて、新たな層に多少なりともリーチできたと感じています。今回のクラウドファンディングをきっかけに興味を持ってくれた方が1人でも増えたのであれば、今後も継続してファンになっていただける裾野が広がったという観点で、意義があったと考えています。

《スポチュニティの利用について》

スポチュニティ:スポチュニティを知ったきっかけお聞かせください

寺師:GMがクラブを立ち上げる段階で、スポチュニティ代表の川戸さんとコネクションがあったことがきっかけです。

スポチュニティ:クラウドファンディング実施にあたり他サービスと比較しましたか

寺師:基本的にはスポチュニティ一択でした。伴走・サポート体制の充実に関してはプロジェクトを実施する中で実感できました。他サービスではここまで熱心に対応してもらえたのか疑問です。手数料等は他サービスと比較しましたが、具体的な検討をする段階においてはスポチュニティ一択に絞っていました。GMも含めてこれほどカスタマーサクセスが実現するのかと驚いていました。特に、タスクの管理やプロジェクトの先導に関しては大変満足しています。

スポチュニティ:プロジェクトを始めるあたり不安に感じていた点はありましたか

寺師:初期の企画段階では、目標金額と照らし合わせて準備やプロモーション等にどれくらい負荷がかかるのか手探りの状態でした。

スポチュニティ:クラウドファンディングの準備・実行におけるスポチュニティのサポートはどうでしたか

寺師:準備段階から思ったより大変だという感覚でしたが、裏を返せば始まる前からいい意味で焦りを感じることができたということだと思います。大分トリニータさんの事例などスポチュニティから提案いただいたいろいろな施策全ては実行できませんでしたが、明確にロードマップを作成したうえで最低限必要なタスクを切り分けて進めてもらえたのがよかったです。
実施期間においては、他プロジェクトの事例を踏まえたアドバイスや、YSのファン層の特性に合わせた提案がありがたかったです。

スポチュニティ:目標金額を達成したことについてどう感じていますか

寺師:第一目標を達成したことについては満足しています。加えて副産物的に新たなスポンサーを獲得できました。今シーズンは8~10月がリーグ中断期間となっていたので、そのタイミングで実施することでニュースバリューの1つとしてクラウドファンディングがフックとなり、新たなスポンサーとの交渉も後押ししたかなと思います。クラウドファンディングを実施しているという事実が、支援を求めているということを分かりやすく伝えるツールとして機能したことが達成金額とは別に得られた喜びでした。

スポチュニティ: 大分トリニータさんでも同様に新スポンサーが決まるという事例がありました。支援を集めるために、スポチュニティが提案した施策以外に実施されたものはありますか

寺師:基本的には提案いただいた施策を中心に進めました。独自の企画としては、期間中のホームゲームの観戦者に対して、試合告知と併せてクラウドファンディングの案内をメールで配信しました。加えて、スポンサー企業へリーグ戦1試合を“株式会社◯◯ スペシャルデー”という名で実施する、冠試合※の提案を行い、1枠獲得することができました。(コロナ禍での無観客試合も重なり、22/23シーズンでの実施予定)Jリーグやプロ野球のように成熟したクラブではないので、一緒にクラブを育てていくという目線でスポンサー企業の皆様にも本企画にご参加いただくためのご相談等はさせていただきました。

※冠試合:ホームゲームにおいてスポンサードしていただいた企業のスペシャルデーとして、社長の始球式や特別バナー掲示、その他イベントを実施することで企業の認知を広げる

©︎ Y.S.C.C.横浜フットサル

《今後チームとして目指している姿について》

スポチュニティ:今後チームとして目指している姿を教えていただけますか

寺師:短期・中期的にはフットサル界でNo1になることです。ただ競技力だけではなく、ファンの方に喜んでいただけることが重要と考えています。強さだけでなく日本一魅力のあるクラブを作っていきたいです。一足飛びにメジャースポーツの域に到達することは難しいですが、他のアリーナスポーツに引けを取らないリーグ・クラブにならなければ、そこでプレーする選手・スタッフがハッピーにはならないと考えています。その先駆者として道を切り開いていくためには競技力(強いクラブになること)が必要だと考え、日々活動しています。
また長期的な取り組みにはなりますが、フットサルの小さいパイの中でファンを奪うのではなく、新たなファンを獲得するという目的で、松井・ピエリアンの獲得やクラウドファンディングを実施しました。
現在はフットサルのみで生活できる選手はほぼいません。クラブとしては2足の草鞋を履いている方がよりよいキャリアにつながるという前提のもと、選手にはフットサル以外の仕事をしてもらっています。過去にはフットサルに専念することで引退後に苦労した例も少なくありません。日本代表クラスの選手でも、これまでのスキル・ノウハウを活かせない職についていることもあります。そういった背景のもとYSでは、週4~5日一般企業で働きながらトレーニングをしてもらっています。将来的にはフットサル専業のキャリアの魅力度が上がり、どちらも(専業/兼業)選択できるようなクラブを目指していきたいです。

スポチュニティ:獲得資金の使用状況はいかがでしょうか

寺師:パーソナルジム設立に向けて物件を探していて、その費用に充てています。今後は外国人選手獲得の初期費用としても活用していく予定です。

スポチュニティ:クラウドファンディングをまた活用したいと考えていますか

寺師:YS側の体制を整えたうえで再チャレンジしたいです。今回と同様のテーマでなく別の切り口(メッセージ)で実施したいと考えています。資金集め以外にもクラウドファンディングを軸にして周辺の取り組みに派生しやすいということが実感できましたので、副次的な効果という意味でも期待しています。

スポチュニティ:クラウドファンディングに限らず、マイナースポーツを盛り上げるためにこんなサービスがあると嬉しいという要望はありますか

寺師:1クラブでできることは限りがあるので、業界を超えて共通項が見つけられるスポーツクラブや企業とマッチングできる場を提供してもらえるとありがたいです。対象はスポーツに限らなくてもよいと考えます。例えば、キッズスクールや学童を運営する企業とのマッチング。スポーツ教室等を提供することでフットサルに興味を持った子供たちへ試合の観戦ツアーを組むなど。業界内のコミュニティでは得られない接点がクラウドファンディングのプラットフォームにはあると感じています。