利用者の"生の声" 〜鍛代元気(きたいげんき)(Fリーグ 湘南ベルマーレ所属)〜

湘南ベルマーレ(Fリーグ)に所属する鍛代選手は、チームを優勝に導くことができる力をつけるため、クラウドファンディングのプロジェクトを初めて実施しました。別の仕事を掛け持ちしながら強化に挑む鍛代選手。フットサル人生で自分史上最高のパフォーマンスを出すために、トレーニングを根本から見直し、パーソナルトレーナーと契約して一層のレベルアップを図るための強化費用の獲得を目的としてプロジェクトを開始しました。当初予定としていた目標金額の250,000円を初日で達成し、ネクストチャレンジも超えてえており、674,000円(支援数86件)の支援を集めました。個人の利用者としてはスポチュニティのプロジェクトでは、最短スピードでの目標達成で大成功に終わりました。

このたびスポチュニティでは、鍛代様にお話を伺いました。実際にスポチュニティのサービスをご利用いただいたお客様として、クラウドファンディングの目的や意義をどのように考えていらっしゃるのか、スポチュニティのサービスには満足いただけたか、熱く語っていただきました。

《クラウドファンディングの利用の背景》

スポチュニティ:今回なぜ、クラウドファンディングに取り組もうと思われたのか背景をお聞かせください。

鍛代様(以下、敬称略):今回のクラウドファンディング利用のきっかけとしては、湘南ベルマーレフットサルクラブが別のプラットフォームで活用した経験があります。私が認知していたクラウドファンディングは、支援者とクラブチームをどのような関係性にするものなのか、どういった仕組みなのか、自分自身の想像と近しい部分がありました。当時は担当者ではありませんでしたので様子を伺うだけでしたが、個人として挑戦してみたいと思いました。

スポチュニティ:個人として挑戦したいと思えた理由をお聞かせください。

鍛代:クラブが実施していたとはいえ、私個人としては実施していませんでした。チームとしてではなく、自分自身が体験して成功や失敗の結果が欲しいと思いました。私の感覚としては、お金がどれだけ集まるのかという点についてもそうなのですが、「鍛代元気」という一人の人間に対してどれだけの人数が応援してくれるのかという点について興味がありました。例えば、1人の人が100万円を支援していただけることも嬉しいのですが、100人の人が1万円の方が私にとっては魅力的なものだと感じていました。また、人の想いを集めるプラットフォームであるクラウドファンディングは、一発勝負ではなく2回、3回繰り返して行うことが必要だと思っていますので、仮に失敗したとしても次に活かせるのではないかと思いました。

スポチュニティ:鍛代選手は挑戦したいという強い思いを持っている「人」なのですね。

鍛代:チャレンジすること自体がとても好きで、悪く言うと飽きっぽいのかもしれません。常に新しいことにチャレンジしたいという気持ちはずっと持ち続けています。私自身、サッカー人生としては順調に進んできたわけではありませんでした。小中高では選抜チームに選ばれたことはなく、セレクションに受かって高校やチームに入ったこともありません。どちらかと言うと、底辺や雑草というような人間だと思っています。そのような過去でしたので、高校生の終わり頃にサッカー選手というものを諦めてコーチという道を選びました。しかし、コーチという仕事をしながらも自分自身との問いかけをしていくと、小さい頃から憧れていた湘南ベルマーレの選手になりたいという気持ちが改めて甦ってきました。一度諦めたサッカー選手というものは、自分の実力がなくて辞めたのか、無理だと思って諦めたのか、本気で目指すとどこまでいけるのか挑戦してみたいと思いました。今はフットサル選手としての夢が叶ってプレーをしていますが、当時の私は本気になれずに自分で諦めていたことに気づきました。本気で取り組めば夢は叶うという成功体験から何かに挑戦したいという気持ちが強くなりました。

その後もチャレンジは継続していまして、数年間湘南ベルマーレフットサルクラブでプレーし、ブラジルへ武者修行をしに行きました。帰国後はベルマーレの主力として迎え入れてもらい、若手の頃とは立場や役割が違ったため、そこでもチャレンジの経験があります。選手以外についてはYouTubeチャンネルを立ち上げて投稿したり、今回のクラウドファンディングのプロジェクトも行いましたので、3年に1度くらいは大きなチャレンジをしています。

《スポチュニティの利用について》

スポチュニティ:スポチュニティを利用した理由についてお聞かせください。

鍛代:フットサルはプロ選手よりもセミプロやアマチュア選手が多いのがフットサルの業界です。私の身の回りでは、お金を理由でスポーツを引退したり、活動が制限されて継続を諦めている人たちがいました。スポチュニティさんの理念に、『マイナースポーツをやっている人を応援したい』というものがありましたので、その想いに共感して利用させていただきました。

スポチュニティ:プロジェクトを始める前とのギャップはありましたか。

鍛代:正直にお話をするとありました。担当者の方に色々とお世話になりまして、様々なことを教わりました。例えば、開始時期やプロジェクト期間、目標金額に対する人数の考え方などです。

スポチュニティ:利用するにあたって何か不安はありましたか。

鍛代:先ほども述べましたが、失敗でも成功でも結果が欲しいと言っていましたが、成功するということに越したことはなく、どうせやるなら成功したいと思っていました。それは応援してくださる方々のためにも頑張りたいという想いがあったからです。なので、実際に集まらない場合はどうしようかと不安な気持ちがありました。結果的には初日で目標金額を達成したので、すぐに安心しました。

スポチュニティ:クラウドファンディングの実行までの弊社のサポートはどうでしたか。

鍛代:他のプラットフォームを利用しておらず比べることができないのですが、私は個人の選手として利用させていただいたので時間をあまり取ることができませんでした。普通の場合はオンラインミーティング等を1週間に1回ほど行うものなのかもしれませんが、私の場合のやりとりについては、オンラインでの対応は数回、それ以外はメッセンジャーのみで対応していただきました。以前は、プロジェクトを実施したい人が画像やアピール文などを作成して、プラットフォームに投げるだけの簡単なものだと思っていたのですが、かなり綿密に対応されていました。ここまでしなければ成功しないのだと伺い、何から何まで対応していただくスポチュニティさんに正直驚き、本当に感謝しています。足を向いて寝られないとはこのことかと思いました。

スポチュニティ:今回は初日で目標金額を達成してネクストゴールも集まっていますね。工夫した点はありますか。

鍛代:工夫したというよりも何から何までアドバイスいただいたことを参考にして実施しました。特に教わり初めの強い印象として頭に残っているものは、リターン品の考え方についてです。普通のリターン品は、費用として原価を元に計算することが必要になるという認識でした。ですが、自分自身が使用したものについては、使用役目を終えているもので原価はかからず、私自身が愛用品として大事にしていたものに、支援してくださる相手の応援の気持ちは原価にプラスされるというものでした。私の愛用品がファンの想いにつながることはとても嬉しいものだと思いました。

スポチュニティ:追加リターンで3000円リストバンドを出されていましたが、価格設定の理由はいかがでしょうか。

鍛代:子供達のために手の届く範囲で何か良いリターンはないかと考えてリストバンドを追加しました。目先の金額を目的にしているのではなく、もっと先のことを考えた関係性を大切にしたいと思っています。

スポチュニティ:個人としては多くの支援をいただいたのではないかと思いますが、普段からファンの方への対応で気をつけている点をお聞かせください。

鍛代:私は他の選手と違いがあるような対応をとっているとは思っていません。ですが、私の小さい頃から将来はベルマーレのユニフォームを着たいと憧れていました。客観的に見ると一人のサッカー少年が夢を叶えたという私の人生のストーリーがサポーターの方に認識されているからなのではないかと思います。私は幼少期から湘南ベルマーレのサポーターであり、私自身がファンであることを公言しているため親しみやすいのではないかと思います。そのためサポーターの方々は応援してくださっているのではないかと思います。

《今後について》

スポチュニティ:現状のチームの状況や鍛代選手の課題はどのようなものでしょうか。

鍛代:チームとして目指している目標としては、今シーズンでの優勝ですので、そのまま継続していきたいと思っています。選手としては、自分史上最高のプレーというものをキーワードにしています。目標への達成度合いは現在進行中ですがパーソナルトレーナーとの契約によって常に最高のプレーができる状態に力をつけてきています。他にはフットサルIQを高めて細かいところを学ぶ必要があると思います。自分自身の経験則だけではなく、理論的にボールを止めて動かす角度やスピード、その他の動きとしてどのような行動がベストなのかを探究していきたいと思っています。

スポチュニティ:クラウドファンディングをまた活用したいと考えておられるでしょうか。

鍛代:どのタイミングになるのか分かりませんが、今後もやっていきたいと思っています。今回は現役選手としてクラウドファンディングを活用しましたが、私が現役を引退した後に実施すると、どのような結果になるのかについてとても興味があります。「鍛代元気」という人間はどれだけの人を集めることができるのかが知りたいです。今回は選手だからこのような結果なのか、そうでなくとも一人の人間として支援は集まるのか、という点に興味がある。私自身、元気という名前でここまでやってきたので周りの人を勇気づけて、自分自身も元気でいたいですし、みんなを元気にできる存在でいたいと思っています。

スポチュニティ:最後にクラウドファンディングの利用を検討されている方へ、アドバイスをお願いします。

鍛代:私自身担当者の方とお会いする前に少し勉強していましたが、やってみないとわかりません。もし、今後実施する人にオススメするのであれば、本プロジェクト前に一度小さなプロジェクトを実施することが大切だと思います。また、個人的な感覚ですが、クラウドファンディングは1度きりの実施でなくてもいいと思います。ここ最近のテーマとしてはコロナウイルスの関係があり、どうしても寄付的な要素が多かったのかもしれませんが、ファンとの接点等を考えると、お金の集め方の1つの手段としてとても良いツールだと思いますので、チームや団体を前に進めるために支援をお願いすることと複数回実施することが大切だと思います。

スポチュニティ:本日は貴重な時間をありがとうございました。引き続きまたお願いします。